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No.112026/11/05#歴史#語源

「花魁」の語源は「おいらの姉さん」? 漢字はあとから当てた字

時代劇でおなじみの「花魁(おいらん)」。もとは話し言葉で、「花魁」という漢字はあとから当てた字。語源には諸説あって、確かなことは分かっていない。

舞姫華さんっ! ボク知ってるよっ! 「おいらん」ってオランダから来たんでしょっ! オイランダっ! だから着物もあんなに派手なんだよっ!

姫華……はぁ。アンタ、そういうのどこで覚えてくるのよ。オランダは関係ないわ。花魁は、江戸の吉原で位の高い遊女を呼んだ名前よ。

舞えーっ!? じゃあ「おいらん」って、どういう意味なのさっ!

姫華いちばんよく言われるのは、妹分たちが自分の姉さん分を「おいらの(姉さん)」って呼んだのが、なまって「おいらん」になったって説ね。「おいらの」は「私の」ってこと。……ただ、ほかにも説があって、確かなことは分かってないの。

舞ふーん。じゃあ「花魁」って漢字も、そのとき一緒に決まったんだっ!

姫華違うわよ! 漢字はあとから当てた字。もとは話し言葉なの。洒落本には「姉女良」とか「花嬢」とか、いろんな書き方があって、中には「壱両壱分」なんて書き方まであったのよ。

舞い、いちりょういちぶ!? それ値段じゃんっ! ちゃっかりしてるねっ!

姫華アンタが感心するところじゃないわよ! その中で残ったのが「花魁」。「ものを言う花」、つまり美人の、その「魁(かしら)」っていう意味の字なの。中国の小説に出てくる「花魁娘子」っていうあだ名から取った、っていう研究者もいるわ。

舞あっ、思い出したっ! 狐や狸は尻尾で人を化かすけど、花魁は尻尾がなくても化かせる。尾がいらないから「尾いらん」なんだよっ! これは本当でしょっ!

姫華それは落語の枕で使われる冗談!! 根拠なんて無いわよ! ……ふふん、ついでに教えてあげる。この呼び名が広まったのは1760年代ごろ。吉原でいちばん上の位だった「太夫」がいなくなったのと同じころなの。だから、昔の名高い太夫を花魁って呼ぶのは、厳密には間違いなのよ。

舞へぇ~っ! じゃあボクも、かんざしいっぱい挿して花魁道中しちゃおっかなっ! キラキラでお金持ちっぽいじゃんっ!

姫華見た目ほど優雅じゃないわよ。かんざしや櫛は全部自前、お付きを抱えて座敷を保つのにも大金がかかったの。頭の飾りは首から上だけで「家一軒分」って言われたほど豪華で、重すぎて上半身ごと動かないと振り向けなかったんですって。……アンタなら三歩で転ぶわね。

舞ぷぅ~! 転ばないよっ! ……たぶんっ!

姫華……まあ、転んだら起こしてあげるわ。だから絶対、私の着物の裾は踏むんじゃないわよ。

姫華のまとめ

  • 花魁は、江戸・吉原の位の高い遊女の呼び名で、職名ではなく尊称・美称。語源は、妹分たちが姉女郎を「おいらの(私の)姉さん」と呼んだのがなまったという説がよく知られるが、ほかにも説があり確かではない。「尾いらん」は落語の冗談で根拠はない。
  • 漢字は当て字。洒落本には「姉女良」「花嬢」「壱両壱分」など多くの書き方があり、「ものを言う花(美人)の魁(かしら)」を意味する「花魁」が定着した。中国の小説の「花魁娘子」というあだ名から取ったとする研究者もいる。
  • 呼び名が広まったのは1760年代ごろで、吉原から最高位の太夫が消えた時期と重なる。花魁はかんざしや櫛などの道具を自前でそろえ、座敷を保つにも多額の費用がかかった。

出典

※一般的な雑学です。医療上の判断が必要なことは医療機関に相談してください。登場人物はすべて成人です。