← 姫華のエロ雑学 一覧

No.72026/11/01#語源#歴史

媚薬「アフロディジアック」の語源は、泡から生まれた女神アフロディーテ

英語で媚薬は aphrodisiac。この「アフロ」は髪型じゃなく、性愛と美の女神アフロディーテ。しかも媚薬とされてきた食べ物には、体に直接効く成分はまだ見つかっていない。

舞姫華さんっ! 媚薬って英語で「アフロディジアック」って言うんだって! アフロヘアの神様が作った薬だからでしょっ! ボク知ってるもんっ!

姫華……はぁ。髪型は関係ないわ。アフロじゃなくて、アフロディーテ。ギリシャ神話の性愛と美の女神で、ローマではウェヌス、つまりヴィーナスと同じ扱いよ。aphrodisiac はギリシャ語の aphrodisiakos「性欲をかき立てる」から来ていて、元は「アフロディーテの」って意味の言葉なの。英語の名詞として記録に出てくるのは1719年ね。

舞へぇ~っ! じゃあアフロディーテって名前は、えーっと……「アフロでいーって」って意味だよねっ!

姫華違うわよ!! どこの美容院の会話よ!! ……古代のギリシャ人は、aphros、つまり「泡」から来た名前だと考えてたの。ヘシオドスの『神統記』だと、クロノスが父ウラノスの性器を切り落として海に投げ込んで、そこから湧いた白い泡から彼女が生まれたのよ。

姫華ただ今の学者には、女神そのものが東から来たんだから、名前も東の言葉、たとえばキプロスのフェニキア語から来たんじゃないか、って見方もあるわ。泡の話は、あくまで昔の人の語源説ね。

舞泡から生まれた!? ……じゃあビールの泡も媚薬じゃんっ! ボク、ジョッキで飲むっ!

姫華ならないわよ!! ……まあ、お酒は抑えが外れるせいでそういう気分になることはある、とは言われてるけど。泡のおかげじゃないわ。

舞ぷぅ~! じゃあ本物の媚薬ってどれなのさっ! 精がつくスタミナ料理とかでしょ!?

姫華歴史上、媚薬扱いされた食べ物でいちばん多いのは魚と野菜とスパイス。でも、どれからも体に直接効く成分は見つかってないの。評判は事実じゃなくて言い伝え、っていうのがブリタニカの結論よ。高麗人参やサイの角がもてはやされたのも、形が性器に似ていれば効く、っていう昔の考え方から来たと言われてるわ。

舞形が似てたら効くの!? じゃあボク、キノコいっぱい食べるっ!!

姫華食べても何も起きないわよ!! ……ちなみに昔から「効く」と言われてきたカンタリスは、水ぶくれを作る甲虫を干して砕いた物で、肌に付くだけで水ぶくれ。飲むのは極めて危険よ。ヨヒンビンも、それらしい効き目が出るのは毒になるほどの量だけで、たいていは思い込みだって見方が多いの。

姫華……ふふん。ブリタニカは、見る・触れる・匂い・音みたいな刺激も媚薬のひとつに数えてるわ。アンタも、怪しい薬を探す暇があったら、身だしなみでも整えなさい。そのほうがよっぽど効くわよ。

姫華のまとめ

  • 媚薬を意味する英語 aphrodisiac は、ギリシャ語 aphrodisiakos(性欲をかき立てる)から。元は「アフロディーテの」を意味する Aphrodisios で、英語の名詞としては1719年から記録がある。
  • アフロディーテはギリシャ神話の性愛と美の女神(ローマのウェヌス)。ヘシオドス『神統記』では、クロノスが海に投げ込んだウラノスの性器から湧いた白い泡から生まれ、名前は aphros(泡)から来たとされる。ただし東方(キプロスのフェニキア語)から来た名前とする説もある。
  • 媚薬とされてきた食べ物(魚・野菜・スパイスが多い)からは、体に直接効く成分は見つかっておらず、評判は言い伝えによる。カンタリスは飲むと極めて危険で、ヨヒンビンの効果も思い込みによるとする見方が多い。

出典

※一般的な雑学です。医療上の判断が必要なことは医療機関に相談してください。登場人物はすべて成人です。